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「好き」という情熱を、「戦略」で価値に変える。挫折を乗り越えたNotionクリエイターがたどり着いた "人の行動を変える"テンプレート <Notion公式アンバサダー:とうまろ氏インタビュー>

「好き」という情熱を、「戦略」で価値に変える。挫折を乗り越えたNotionクリエイターがたどり着いた "人の行動を変える"テンプレート <Notion公式アンバサダー:とうまろ氏インタビュー>

公開日
Oct 6, 2025
Tags
アンバサダーインタビュー
Update
New
Notionのテンプレートクリエイターであり、Notion公式アンバサダーとして活動する、とうまろさんこと星野 透馬さん(以下、とうまろさん)にこれまでの歩みを伺いました。クリエイターを志したきっかけや一度目の挫折、そこからテンプレートが月間売上100万円を超えるまでに実践してきたこと、そして活動フェーズの「爆発期」と見据えるこれからについて詳細に語っていただきました。Notionクリエイターとしてさらなる高みを目指したい人、あるいはこれから活動を始めようとしている人にとって、指針となるヒントが詰まった必見の内容になっています。
 
とうまろさんプロフィール(X / YouTube / Website)
notion image
 
個人の生産性向上を専門とするNotionテンプレートクリエイター。 2023年4月にNotionと出会ってわずか2カ月半でNotion公認資格を取得。10年間のITエンジニア経験を活かし、2024年6月にはNotion公式アンバサダーに就任。 テンプレートやチュートリアルの制作、YouTubeでのコンテンツ配信などを手掛けるほか、Xではフォロワー1万人以上に向けて、デジタル活用術や生産性向上のヒントを毎日発信している。 2025年7月からはフルタイムのNotionクリエイターとして活動を開始し、Notionテンプレートの月間売り上げ100万円を達成。

コロナ禍の独立と挫折

—Notionテンプレートクリエイターとして、現在の活動に至るまでの経緯を教えてください
以前はIT企業でサーバーサイドエンジニアをしていました。会社員として働くかたわら英語学習に励むうちに海外への関心が高まり、短期留学などを経験する中で価値観が大きく変化していきます。オーストラリアへの移住を決意し、会社まで辞めましたが、2020年のコロナ禍で渡航を断念せざるを得ませんでした。そんな中、「家で過ごす時間で新しい挑戦をしたい」と考え、YouTube配信を始めました。英語や筋トレ、ゲームといったジャンルに挑戦したものの、収益化の壁は厚く、貯金は減る一方。今思えば、これがクリエイターとしての最初の挫折でした。
 
でも、私は妙に楽観的で、「ダメならまたエンジニアに戻ればいい」と割り切っていました。結局、一度フリーのエンジニアとして生活を立て直していくことになります。
 
転機は2023年。Notionに初めて触れた瞬間に「面白い。これだ!」と直感したんです。英語学習を続けていた中で広がった視野もあって、海外のクリエイター、たとえば私が尊敬するNotionクリエイターの一人である、Thomas FrankさんのテンプレートやYouTubeに触れ、「テンプレートで価値を届けるビジネスがすでに成立している。自分でもできるかもしれない」と感じました。そこから今まで全くやってこなかったXでの発信やテンプレート制作に一気にのめり込んでいきました。
<2025年9月にSan Franciscoで開催されたMake with Notionで憧れのThomas Frankさんと2ショット撮影>
<2025年9月にSan Franciscoで開催されたMake with Notionで憧れのThomas Frankさんと2ショット撮影>

強みは「視野の広さ」と「圧倒的な没入力」

—とうまろさんのクリエイターとしての強みを教えてください
私の強みは「視野の広さ」と「圧倒的な没入力」です。海外の事例やデザイン、実装を徹底的に観察して、良い要素を自分の文脈に翻訳する。英語学習に本気で取り組んだ2018年頃から、海外の情報にアクセスするハードルが下がり、インプットの幅が一気に広がりました。 一方で、裏を返すと一つのことにハマりすぎると周りの物事を一切遮断してしまうくらい集中してしまうというのが弱みかもしれません。2022年、ゲーム配信にのめり込んでポケモンの世界大会に出たほどです(笑)。Notionも同じように没頭し、作るのが楽しくて仕方がなかった。私の原動力は単純に「Notionが好き」ということですね。
 
技術面では、エンジニアの経験からデータベース設計や数式、オートメーションに強いのも武器です。ただし、技術は“表現の幅を広げる道具”に過ぎません。一番大切なのは、使う人の行動が変わる設計になっているかどうか。だから私は、テンプレートの中にフィードバックフォームを入れたり、ダウンロードから1週間後に自動で利用者の方から感想をお願いするメールを送ったり、Notion初心者の目線を意図的に取り戻す仕組みを常に用意しています。慣れていくと忘れがちな自分だけでは掴めない視点を仕組みで取りにいく感覚です。
 
   <当時とうまろさんがNotionを軸とした事業戦略を作成していた際の貴重なページ>
   <当時とうまろさんがNotionを軸とした事業戦略を作成していた際の貴重なページ>

GTDから「Infinity Brain」へ—行動を変えるテンプレート

—月間のテンプレート売り上げ100万円を超えるまでにどのような取り組みを実践してきたのでしょうか
高品質な無料テンプレートの作成や提供から始めました。まずは自分が作るテンプレートの特徴を一人でも多くの人に知ってもらう必要があると考えました。2024年10月まではNotion公式のマーケットプレイスがなかったので、Xで発信をしながらGumroadで無料版を展開しました。中でもGTD(Getting Things Done)テンプレートは無料版の反応が良く、その後に有料版を出してみたという流れです。単体で月30万円規模の売上になった時、「テンプレートなら継続的に売れる仕組みを作れる」と確信しました。正直、この時作ったテンプレートはそこまで多くの時間をかけた訳ではなかったのですが、タスク管理はものすごいニーズがあることがわかりました。
               <Infinity Brainの売上の推移データ>
               <Infinity Brainの売上の推移データ>
GTDの成功体験を経て、2025年の初めから半年以上かけて作ったのが「Infinity Brain」です。私が会社員時代、チームではJira、個人ではTrelloを利用していたのですが、情報が分散していました。私的なタスクや知識、メモ、目標までを一つにまとめるシステムが欲しいと痛感していた経験が元々の着想です。2025年4月にはパイロット版ができ上がっていたのですが、Notionのテンプレートはアプリのようにプロダクトのバージョン管理が難しく、後から修正箇所をアップデートして複製し直してもらう手間を極力減らしたいと考えました。そこで、テンプレートを購入くださったコミュニティメンバー向けにクローズドでテスターを募り、テスターからのフィードバックを集めて徹底的に磨きました。テスターの方からのフィードバックで印象的だったのは、「クオリティの高いものを使い始めると自分の行動が変わっていく」というとても感動する言葉でした。そういう力がテンプレートにあるんだということを気づかせてもらいましたね。そしてようやく8月に正式にリリースをしました。正直、プロセスはほとんどプロダクト開発のレベルなので、他のクリエイターでここまでやる人はあまり多くないと思います。
 
インフィニティブレイン - Notionで第二の脳を構築する究極のセカンドブレインテンプレート
インフィニティブレインは、Notionであなたの仕事・学び・プライベートの情報を統合し、GTDとP.A.R.A.フレームワークを融合させたセカンドブレインを構築するテンプレートです。タスク管理、ノート、ライフログ、目標達成を強力にサポートします。
インフィニティブレイン - Notionで第二の脳を構築する究極のセカンドブレインテンプレート
https://toumaro.com/brain
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クリエイターとしての活動は「助走期」から「爆発期」へ

—Notionクリエイターとして、今後の展望を教えてください。
8月には月間で売り上げが約120万円に到達したのですが、僕の感覚ではまだ微々たるもので、これまでは助走だと思っています。これからのテーマは「爆発」です。今買ってくださっているのは、Xでフォローしてくださっている層やテンプレート購入のリピーターの方々が中心。でもさらに届けたいのは、Notionをまだ知らない人、あるいは「難しそう」と感じて離れてしまっている初心者層です。そのためのコンテンツのバリエーションも増やしているところです。
 
例えば、いわゆるお堅い使い方の解説系ではなく、ストーリー性のある構成や対話形式だったり、ショート動画を使ってすぐに魅力が伝わるようなやり方です。自分にもできそうだと思ってもらえるコンテンツ作りが必要です。将来的にはNotion APIを使ったプロダクトにも挑戦してみたいですが、まずはテンプレート軸でどこまで“爆発”できるかに挑戦します。拡張性のある汎用的なテンプレートで、より多くの個人に価値を届けたいと思っています。
 
また、オフラインで繋がれるようなコミュニティイベントもやりたいですね。Notion好き同士が集まって、ビジネスとかを抜きにして「Notionっていいよね!」と言い合える仲間がいることが素敵だと思っているので、そういう機会を増やしたいと思っています。
 

フィードバックを恐れず、どんどん作って世に出すことが大事

—最後に、Notionクリエイターとしてとうまろさんのように更なる高みを目指したい人やこれから活動を始めようとしている方へメッセージをお願いします
まずはどんどん作って世の中に出すことが大事だと思います。ネガティブな反応は想像しているより少ないので、フィードバックを恐れて世の中に出さないことのほうが損です。その後は、ユーザーの声をしっかり聞きつつ、汎用的な使い方で広げるのか、あるいはニッチな使い方で深掘るアプローチもあると思います。テンプレートの市場の大きさと自分の強みが重なる部分を探して選んでいけると良いでしょう。使い方や機能を伝えることも大事ですが、それ以上にテンプレートを活用することで、その先にどのような未来を描くことができるのかをいかに魅せるかが重要です。テンプレートを使った先の未来をいち早く想像してもらうことで、行動が変わっていき、結果的にユーザーにも喜んでいただけるはずです。「Notionが好き」という純粋な気持ちを忘れずに、一緒に価値を届けていきましょう。
 
   <Make with Notion 2025にて撮影したグローバルコミュニティメンバーの集合写真>
   <Make with Notion 2025にて撮影したグローバルコミュニティメンバーの集合写真>
 
この記事を書いた人

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上村 一斗(うえむー)
Notion Japan Community Contractor X : @uemurakazuto